日本人の現状
現代に生きる人は少しの時間さえあればスマホを見て時間を潰す。SNSを通して欲に駆られ、人と自分を比較し過ごす毎日。
自分の心を見る機会はほとんどない。
精神病患者数は年々増加しており、ここ10年で見ても80万人ほど増加しています。自分もいつ心の病が出てくるか本当にわからないのが現代です。
そこで手助けとなる心の持ち方、「反応しない練習」をしてみたいと思いました。メンタルは弱くはないと自分では思っていますが…
仏教の内容だが宗教感はあんまりない。

「ブッタ」というだけあって内容は仏教を扱っていますが、その中でも原始仏教と呼ばれるもので、特に宗教を信仰していない無宗教の我々の思っているような仏教ではありません。
原始仏教には、多くの人が「仏教」という言葉から連想するような”宗教”的な内容とはまったく異なる、実用的で、合理的な、現代にも使える「考え方」があふれています。 (引用)
どんな悩みも解決できるシンプルな”考え方”

悩み、怒り、不安の理由は何か、理解するところから始まります。その答えが本書には書かれている。それらの問題にどう対応するか、様々な練習を通して理解できるよう示してくれています。
タイトルからもわかる通り「ムダな反応をしない」ことこそがそのシンプルな考え方。それこそが根本的な解決方法です。ただ「反応しない」では難しいですよね、その内容を順を追って説明し取り入れられるようにするのが本書。
人に良し悪しをつけてしまう人や勝ち負けに強く執着してしまう人、比較してしまう人、うっとうしいと感じる相手をどうするか、いろんなものに反応してしまって集中できないとき、など具体的な内容にも、時折実際の事例を交えて解説されます。

反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」 草薙 龍瞬posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング
何が原因か、なぜ「反応」してしまうのか
ブッタはあらゆる原因を「心の反応」だと言います。また、心の反応は「快(喜び)を求めて止まない心」があるからだと考えました。
それを克服するため、まず「理解する」ことを第一にします。「自分はいま反応している。」と。またなぜ反応しているかも考えます、例えば「承認欲が満たされていないからだ。」と。そうすることで自分を客観視し、冷静さを取り戻します。
3つのステップで自分を客観視

ここで、もっと具体的なメソッドを紹介していきましょう。本書に書かれているのは3つのステップです。繰り返し紹介されている内容です。
1.ココロの状態を言葉で確認する
2.カラダの感覚を意識する
3.アタマを分類する
これを見てもさっぱりわからないと思いますが、よく悩みの対処法に「一度、客観視して考える」といった方法があると思います。一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。その「客観視」をより具体的なメソッド、方法、手順にしたものが、上の3つのステップです。今まで抽象的にしかわからなかった「客観視」を具体化して理解できました。
特に注目されるのが「1.ココロの状態を言葉で確認」 と 「2.カラダの感覚を意識する」 が難しいところだと思います。本書の中でも簡単に触れられていますが、やってみるとなかなか難しい行為だと思います。
これのことを本書では主に「サティ」と呼び、より僕たちにわかりやすい言葉では「マインドフルネス」と呼ばれます。日本語では「瞑想」のことです。
ぼく自身も実践している、こんな本を紹介しておきます。

マインドフルネス瞑想入門 1日10分で自分を浄化する方法 /WAVE出版/吉田昌生posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング
お気に入りのポイント

ぼくはタイトルがすごく気に入っています。とても謙虚なタイトルじゃないですか?「反応しない”練習”」…あくまで練習です。「反応するな!」「自分を貫け!」といった強制したり、命令するような口調じゃないところがとても新鮮です笑。
本書の中でも、そのタイトル通りの口調でとても読みやすく、内容も難しくない。あくまで練習だということがわかります。読んでいない方には「反応」の意味がイマイチはっきりしないかもしれませんが、本書の中で「もし反応してしまったら、いま自分は反応している、と認めましょう。」といった箇所があります。「反応するな!」ではなく「反応しちゃった…笑」でいいのです。これなら簡単に取り入れそうだし、宗教っていう印象もほとんど感じませんでした。
ぼくは「なんちゃって仏教徒」

ぼくの実家は馬鹿でかい仏壇が家にあるような「なんちゃって仏教徒」ですが、ぼく自身は無宗教だと思っています。そんなふつうのぼくでも飲み込める内容で、今まで思っていたような「滝で修行」「頭を丸めて…」「煩悩を消して…」といった堅苦しい仏教ではありません笑。現代に通用するソフトで噛み砕きやすい内容でした。
もちろん仏教用語を交えて話が進むところもあります。ただし、この本は布教のためのものではなく、人生で行く手をはばむ数々の問題への対応を一般化してまとめたようなものです。「宗教だ!」と感じてしまう人には合わないかもしれませんのでお気をつけください笑。
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